ある若い精神科医が、平凡なうつ病患者になった――。
うつ病の治療には休養が必要である。
しかし、生活と仕事への焦り、回復しなければならないという圧力は、
医学の言葉だけでは捉えきれない日常の問題でもある。
本書では著者の幼少期の体験、仕事との関わり、家族との生活、診察室でのやり取りがありありと描かれる。
そこに精神科医としての知識が重なり、うつ病を病気としてだけでなく、
人が生きてきた時間や価値観、生活の中で起こる出来事として捉え直していく。
うつを抱えた人は、日常のなかでどのように自分と向き合い、生きていくのか。
うつ病を生きる精神科医が知識と無力さのあいだから見出す、学術エッセイ。



